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兄さんの事を思う。

2月23日、晴れ。

同門の兄弟子、きつつき兄改メ四代目萬橘師の

真打昇進襲名披露パーティー。

ブログに何か書こうと思ったんだけど

写真の一枚も無い。

よくよく考えてみたら

真打昇進の頻発する円楽党所属なのに

先輩方のパーティーをじっくり観た事が無い。

楽屋番、受付、案内役等…。

今回は兄さんから番頭やってくれと。

あちこち動き回ってたらパーティーが終わってた。

余興が面白かった、祝辞が感動的だった、

二次会でなかなか師匠が帰らなかった、

途中で帰るって言ってたくせに

ウィスキーがぶがぶ飲んでた、

楽京兄さんが平常運転の色キチガイだった、

鳳笑に怒られた、

などなどの風聞は耳に入るけど

自分の目と耳で確認してないんですよ。

詳しい事は他の人のブログをどうぞ。

王楽兄さんのブログおすすめです。

 

一門会会長、鳳楽師が楽屋で

「良い披露目だったよ」と仰ってた。

師匠方みんな楽しそうだった。

うちの師匠もおかみさんも喜んでた。

それはちゃんと見た。聴いた。

兄さんが今まで頑張ってきた証。

昇進の節目で現れるのは

それまでの行いの全て。

昇進決まったからって急にいい子ちゃんしても

そんなもの通じないしむしろ逆効果。

 

「四代目萬橘襲名」「名跡を継いだ」

という見出しがついて回るんだと思う。これからも。

でも名跡を継いだから凄いね、大したもんだねじゃなくて

それにふさわしい人だから継いだだけ。

名前とかそういうのは後からついてくるものだと思います。

 

入門してからずっと、入門する前からずっと

お世話になってきた兄さん。

入門志願者だった私の為に

「これ聴いといた方が入ってから楽だから」

と、出囃子を録音したテープを送ってくれた。

師匠から入門の許可が下りる気配もなかった当時、

背中を押してくれた。

師匠宅で面談が許された日、

普段着で来た自分を見て

「お前スーツで来いよ!!」と

自分のスーツを僕に着せて

兄さんは僕の服を着てくれた。

東京駅のトイレにて衣装チェンジしたっけ。

入門してからは、毎日一緒に師匠宅に通ってくれた。

初めての稽古をひかえ、

三遍稽古のコツをあらかじめ教えてくれた。

圓橘門下は今時三遍稽古を最初にやるんです。

随分怒られた。めちゃくちゃ助けてもらった。

兄さんがいなかったら自分は多分もうこの世界に居ない。

一緒に前座ってのは、相当な負担だったんだと思う。

どうしようもないポンコツだった自分が突然来て

その全ての責任を負う事になった兄さん。

自分の事で手一杯だったはずなのに。

僕がしくじるたび、兄さんが怒りと悲しみに満ちた顔で

僕を見るのがたまらなく辛くて、

次は絶対あんな顔させちゃいけないと。

人として、噺家として、兄として

いつも高い壁であり続けてくれた兄さん。

「萬橘という高い壁があるのは

お前にとって不幸でもあり、幸せでもあるんだ」

と師匠が言ってた。

パーティーの手伝いをして感じたのは

兄さんが自分の兄弟子であるという幸せ。

壁は超えられる程度の高さじゃ壁にならない。

無理ゲーくらいがちょうどいいや。

おめでとうございますと、心より申し上げます。

 

「次はお前だ」とお客様が言う。

まだ何も決まってないです。

自分はあんな幸せと祝福に満ちたパーティーを

出来る器じゃないです。

自分の事は、今はいいや。

兄さんの披露興行はこれから。

大変なのも、楽しいのもこれから。

まずは3月両国10日間、どうぞお運び下さいませ。

新真打が、とことん楽しませてくれるはずです。

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