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上海日記 その弐

4月22日。

どこでも寝られる呑気さに感謝。

シャワーの水も臭うけどお構いなく。

歯磨きのあとはペットボトルの水でゆすいだけど。

エビアンとかボルヴィックは10元(1元≒15円)なのに

現地のペットボトル入り水は1元くらいっていう。

その辺も疑う事をやめた。

信じるものは救われる。たまに足元もすくわれる。

 

ホテルの朝食がバイキングなので生野菜は避けて

それ以外を貪る。旨い。普通に旨い。炒飯旨い。

ステージは夜からなので、この日は肥後ドッコイさんに

色々案内してもらう予定だった。

そそくさと支度して一階へ。

 

向こうのトイレでは、用を足した後、紙を流しちゃいけない決まり。

紙流すと詰まるの。

便器の横にゴミ箱があって、そこに使った紙を捨てる。

それ拡げて乾かしてとかそういうんじゃないの。

勿論ホテルの部屋でもそういうルール。

部屋にはゴミ箱が一つ。

自室で用を足す、紙をそこに捨てる…。ね。

そこで寝るの嫌でしょ。

うんこと一緒に寝るの嫌でしょ。

婉曲的な表現が思いつかなくて申し訳ないです。

 

だから自室ではなく、ホテル一階のトイレでしようと。

行ったさ、トイレ。入ったさ、個室。

ドア閉めて、座って、することして、ルール守って。

さて行くかと思って立ったら異変。

ドアが開かない。

ドア開けるために手でつかむあれが無い。

ドアノブっていう、あれが無い。

……え?なんで?

考える。色々試行錯誤する。開かない。

ちょっと強めに押してみる。開かない。

もうちょい強めに押してみる。びくともしない。

肩でちょっと押してみる。微動だにしない。

肩でぶつかってみる。痛い。

 

はぁ?!なんで?!どういうこと?!

おいおいちょっと待て。

もう待ち合わせの時刻まで3分くらいしかないんだぞ。

粗忽の釘を思い出す、落ち着け、落ち着けば俺は一人前なんだ。

煙草吸えばいいのか?灰皿あるしな。

いやそんな時間ない。どうする俺!どうするよ!

泣きそうになる。やだよこのままここに住むの。

日本帰りたいよ。みんなと上海観光したいよ。

まだギャラもらってないよ、そもそも仕事してないよ。

ドアノブがこんなにあっさり壊れるのに

なんでドアはまるっきり壊れないんだよ!

 

天を仰ぐ。我が生涯に沢山の悔いあり。悔いしかない。

視線を上に向けて気付いた。

壁が低い。上に隙間がある。しかもかなり。

よく見ると下も。だが上の方がスペースが広い。なるほど。

下の隙間から隣りの個室を確認。誰も居ない。

鞄を背負う。便器を足場にする。腕の力で体を引っ張り上げる。

音もなく隣りの個室へ着地。

「ふぅ、快便だったぜ」みたいな顔して脱出成功。

ギリギリ間に合った。便意も、待ち合わせも。

もう一度シャワー浴びたいほどの汗を額に滲ませ、

集合場所のロビーへ。外は快晴だった。

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