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まあ結局みんな河原乞食なんだけどね

3月6日土曜日。

今日も両国寄席に出演。

サラ口(一番初めの出番ね)の予定だったが

橘家文左衛門師匠が出番交替してくれと

仰ったので二本目に変更。

縦社会に於ける先輩からのお言葉である上に

文左衛門師匠だ、バイオレンスも加わる。

拒否する権利なぞ存在し得ない。

好吉『金毘羅様』鳳笑『手紙無筆』文左衛門師『桃太郎』と来て私。

ネタは春しか出来ない『花見酒』

こないだ吉祥寺の九浦の家落語会でやって以来。

この噺、凄く好き。

受けるとこあまりないけど、凄く好き。

大事にしたい噺。

お後王楽兄『道灌』、楽京兄『長短』

までは把握しているがその後は…申し訳ない。

後に用事があったので寄席を出てしまったのだ。

今日もこのブログをご覧下さってるお客様から

入浴剤を頂戴した。恥ずかしいやら嬉しいやら。

とにもかくにも御礼申し上げます。

本当に、ありがとうございます。大事に使いますね。

 

用事も済み帰路につく。

途中でファミマに寄る。

レジへ行くと店員さんのネームプレートに

「舞台女優」と書いてあった。

なんと、女優さんが働いておる。

いや、それともここはコンビニの芝居をしているだけで

実は舞台のセットなのか?

狐の仕業…?

女優さんも大変なんだろう。

生活費を得るために稽古や舞台の間に

こうしてバイトしているのだ。美しいではないか。

そう思ってみると、ただ釣銭渡すだけの行為が

何となく綺麗な気がしてくる。

受け取る私の手と彼女の手がそっと触れ合う。

見つめあう二人。後ろに並ぶ客の催促の声も、表の雑踏も、

駆け込んできた伊藤英明の「助けてくれぇぇぇっ!」という叫びも

耳に入らず、二人だけの世界に浸る。

彼女の花の蕾の様に可憐な口から

小鳥の囀りの様な言霊が紡がれる。

「今だけは、貴方のためだけに微笑むわ。

お客は、貴方だけ。二人の愛の物語を演じましょう」

そんな二人の、春の嵐の様に激しく、美しい恋の物語。

 

これくらいの妄想は抱かせる。

素晴らしき哉舞台女優。

舞台女優っていう、響きがいいやね。

芯の強さと、真っ直ぐな志が滲み出てる。

舞台俳優ってなると、くせのある、一度見たら忘れられない

彫りの深い顔立ちと、独特の持って回ったような口調と

難解なレトリックを多用する話し振りがバリトンボイスで

奏でられる渋いおじ様が目に浮かぶ。

Vシネ女優ってなると悲哀が漂うけどね。

僕は噺家。芸人。

お笑い芸人、っていうとやはりメディアに出てるような

奇抜なコンビ名、服にも髪型にも気を使った

若手の芸人さんが浮かぶ。

下手すると自伝的小説出しちゃったりして、

それが多彩な才能だの文化人だの持て囃されて

しまいにゃ映画化、コミック化もしちゃったりなんかして

そんで人生のヒッチハイクがまだ終わらない

芸人から「おしゃべりくそ野郎」とか言われちゃう様な

そんな素敵過ぎる芸人さんがイメージされる。

いいなー!俺もマルチな活躍してえなあ!

でもこれが「寄席芸人」ってなると何故か貧乏と諦観が

連想される。なんでだろう。

僕も新しい肩書き考えようかなあ。

何がいいかね。

「ハイパーラクゴクリエイター」とか名乗れば

演技派だの女王だの言われちゃう様な

グラビア上がりの若手女優と結婚して

スペインとかで豪遊できるかなあ。

でもクリエイトしてないもんなあ。

落語におんぶに抱っこだもんなあ。無理か。

余計なマクラはやっぱ不必要なんだな。

肩書きも、高座も。

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