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永遠の少年達に乾杯

2月1日夜。

両国寄席に顔を出す。

道楽師匠へのお詫び。

1月23日の、道楽師匠の会に出させて頂く予定だったのが

私の腰の不具合でドタキャンしてしまったので。

楽屋へ入ると師匠はもういらしてた。

前座に稽古をつけてあげるために開演前に

来てたらしい。

すぐに挨拶。平身低頭。

三国志だったら孔明の罠にまんまとはまって

敗走してきた曹仁の様に。頓首の礼でお詫びしたい

気持ちを込めてお詫び。

でも腰が痛くて上手く頭が下がらない。もどかしい。

師匠は僕の体、入院費のことなど、優しく心配してくれた。

抱かれてもいい。でも腰悪いから優しくして…!

ってくらい嬉しかった。赦された…。

実際、二度と使わないから、って言われても仕方ないレベル。

ありがとうございます、道楽師匠。

楽屋には全楽師匠もいらしてた。その日の仲入りの出番。

道楽師と全楽師の会話は楽しい。

横で聴いてるだけで楽しい。口は挟めない。

挟む必要がない。

感性が、モノの見方が、センスが近しいのだろう。

自分もその輪に加わりたいが狭い楽屋では無理だ。

時々全楽師がこっちを見る。

アイコンタクトを試みる。失敗。

でもとにかく楽しい楽屋だった。

雪が降ったにも関わらず、寄席に来てくださったお客様には

心より感謝申し上げます。

恙無く終演。

全楽師が傘で僕を突付いて合図する。「出るぞ」

心得ましたとばかりにそそくさと準備して表へ出る。

雪は勢いを増していた。

雨は夜更け前に雪へと変わっていた。あわてんぼうめ。

寄席の前で道楽師と合流。

何も言わず三人で歩き出す。言葉は要らない。

「どっか行こうか」とか言わない。

お供できる喜び。

正直腰がもつかどうか心配だったがそんな理由で

この二人の話を聞き逃すのは勿体無い。

泣く子も黙る名店、ソーセージがメニューにある!でお馴染みの

笑笑へ軟着陸(道楽師がソーセージ大好きっこ)。

意外とソー盛(ソーセージ盛り合わせ)ないのよね。他の店。

今日はお酒は飲めない僕。ウーロン茶を頼む。

今宵も有意義なディスカッションが始まった。

二世落語家も「寝ていいすか?」とか絶対言わない

至高の話、謹言の嵐、毒の濃霧。

ここには絶対に書けない内容。

でも自分が皮膚感覚で何となく薄ぼんやりと感じている事象を

お二方が明文化してくれるのが心地よい。

こういう時の自分のすることは二つ。

一つは卓上の管理。

師匠が円滑に飲めるように、残量をチェック。

もう一つは、何とかこの二人を笑わす事。

基本的に上の方に自分から話しかける事はNG。

入りたての頃はそういう事を体で理解できなかった。

随分な馬鹿だったんだと思う。

漸く普通の馬鹿くらいになったのはごくごく最近なんじゃないか。

二人の会話を聞きながら、何か気の効いた事言えないか

全力で考える。

人を笑わす事を商売にして、何十年も経つ方々だ。

その二人を笑わせたらこれもう勝ちでしょ。勝ち負けじゃないけど。

巨人に行ってからの清原の打率くらいは笑ってもらえた、かもしれない。

ちょっと前まではファミスタのピッチャーより低い打率だったから

大分よくなった、はず。

そして二人の話を聴いて、改めて自分を信じる事が出来る。

恐らくお二人もそうなんだろう。

目の前にある様々な事象に考察、分析を繰り返す事で

自分達の考えの再構築と、お互いの同意を得る作業なんだろう。

一人で考えてても考えってうまくまとまらない。

こういう会話に真理が見出されるんだろうなあ。

そしてこういう事ばっかり書いてるから二世落語家に

「なんか兄さんのブログの文体、宗教家みたいすね」

とか言われるんだろう。

朝まで、始発出るまで宴は続いた。

いや、始発出ても続いてた。

カラオケ屋の店員が会計時に

「遅い時間までありがとうございます」と言った。いいイヤミだ。

そら私服に着替えた店員が掃除しだすわ。

ごめんねいつも遅くまで。また行くからね。

御茶ノ水駅で道楽師匠を見送る。

師匠は去り際に「気をつけー」と一言。

その背中を見つめながら、朝の改札口を行き交う人々の波に

抗いつつ最敬礼した。

師匠は「20年やってりゃ見えてくる」と仰った。

まだ5年ちょい。道のりは長い。

20年選手になった時、何が見えるんだろう。

早くその領域にたどり着きたいけど、急いでも詮無き事。

永遠の少年達は、その夜も最高にかっこよかった。

居酒屋での会計時、

「一万円あるから!」と言っておきながら見つからなくて

雪道を歩いてコンビニに金を下ろしに行って戻ってきたら

上着のポケットに入れた文庫本からその一万出てきて、

しかもそれ、ある後輩(○志兄さん)に渡す予定のギャラだった

事も含めてかっこよかった。

ギャラになる予定の一万は

雪と共に綺麗に解けてなくなった。

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