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2月1日~公園、鳩、孤独~

2月1日。

師匠に朝、家に来るように言われた。

本来初日(1、11、21日)は師匠に挨拶しにいくもんだから、

1日に行けるのはちょっと嬉しかったりする。

基本的には師匠の用が無い時は行かないので。

師匠は深川在住。

私は現在吉祥寺在住。

前座の頃は両国に住んでたので、徒歩20分で師匠の家に行けた。

今は東西線で門前仲町まで行ってからの徒歩なので、

自宅から正味一時間はかかる。

自分の我侭で敢えて師匠宅から離れた所に住んでる以上、

遅刻、寝坊は絶対ダメだ。一回やっちまったけど

必ず早めに家を出る。

約束の時刻の30分前には師宅付近まで行くようにしている。

だが時間ぴったりに行くのが慣わしである以上、

その時間を潰さなきゃいけない。

深川一丁目の交差点に、小さな公園がある。

門前仲町の駅から師宅へ向かって清澄通りを歩いていると

その公園は見えてくる。

凄く小さな公園なのに、何故かその低い柵の中だけは

穏やかに時が流れているように見える、とか大げさに

言うほどのもんでもないが、ベンチがあって、

そこに座ってても誰にも怒られないから公園はありがたい。

まあ朝っぱらから男が座ってボーっとしてたら

職を失った哀れな男に見えるだろうけど。

2月1日、その日も公園で

「お父さん、今日も営業で外回りしてくるから」ごっこに興じる

悲しい男風に座っていた。

だってこれから師匠んちだもん。テンションあがんねえよ。

公園に、先客がいた。鳩。

群れをなしている。ブランコの上で風を一身に受けている。

その中の一羽が群れを離れてこちらへやってきた。

Photo_3

言いたかないけど、クルッポーってよりメタッボーだぞお前。

何と丸々と太った鳩だことよ。冬だからかな。羽毛なのかな。

まあどちらでもいい。

群れから外れて私の元へ来た鳩。じっとこちらを見ている。

まるで動かない。写真も快く撮らせてくれた。

「ナイスですねー」と褒めてみたが反応はない。

村西とおる世代ではないのか。そしてこういう事書くから女性にもてないのか俺

鳩はそのまま2、3分、私の元にいた。

何が目的だ!

一番濃厚なのは餌をくれってことだろ。

鳩だったら鳩らしく、母親にもらって来い!

鳩の母親はくれるんだろ?子供手当てだろ?14億だろ?

だが鳩はそのつぶらな瞳をこちらに向けるだけだ。

金品が目的ではないのか…!では何のために

群れから離れてまで私の所へ……はっ!まさか!

お前、俺が独りで寂しいだろうからと、慰めに来てくれたのか?

そうなのか?

鳩は首を軽く動かす。

その目は「トラストミー」と言ってる様に見えた。

私はその思いを頂いた。

鳩、お前、いいやつだな。俺を慰めてくれるなんて。

群れが飛び立つ。

私の足元にいた鳩もそれに従った。

え……。お前、俺の心のスキマ埋めるんじゃ……。

恐らく鳩は、何も考えていないのだろう。鳥も、人間も。

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